死に対し、喪の儀式をおこなうこと。これは歴史の中で醸造していった人間の叡智である。
2018/11/30
岡山にあるメンタルヘルス治療院、K’sセラピールーム片山太郎です。僕の専門はトラウマ治療です。
以前、トラウマの治療に効果があるものは暴露療法しかありませんと書きました。それ以外、いかなる薬物療法も、その他の心理療法も効果がありません。
暴露とは辛い過去を思い出すことです。辛い過去を思い出すこと、その繰り返しの中で、人は浄化されていくのです。
それを踏まえて質問です。
人が生きていく中で、人生において一番辛いことはなんだと思いますか?
痛ましい事件や事故に巻き込まれることですか?テロや戦争ですか?
僕は違うと思っています。
答えは、愛する人を亡くすことです。
愛する人を失うこと、僕は、これ以上のトラウマはないと考えています。
ピンとこない人は、今まで愛されてこなかった人かもしれません。孤独という、より深い苦しみの中にいる人かもしれませんね(汗)。
それは、さておき。
人生で一番、辛いであろうこと。愛する人を亡くすという経験は、長生きをしていれば、経験せざるをえないのです。長く生きていれな、親を失うこと、夫を失うこと、妻を失うこと、親友を失うこと、我が子を失うこともあるでしょうから。
昔、パトリス・ルコント監督の「髪結いの亭主」という映画がありましたが。あれは、男女が結ばれ、幸せの絶頂となります。その日、女性は「幸せを失うのが怖い」という置き手紙を残し自死するという映画でした。なんちゅう自分勝手な女でしょうかねえ(汗)。
しかしながら、愛を失う、愛する人を失う恐怖というのは、あるものなのでしょう。ならば、だからこそ、愛する人に失う苦しみを与えてはならないと考えるのが愛ではありませんかね。やはり「髪結いの亭主」の女性は生きなければいけない。それが愛だと思いますが、それでは映画にならないのでしょう(笑)。
ああ、今日も余談がすぎる(汗)。
長生きをすれば、愛するものを失うという経験は必ずおこるということでしたね。しかし、多くの人は愛する人を失っていても生きているんです。
愛する人が亡くなっても、そんなに傷つかなかったのだろうか?
いやいや、そんなことはないはずです。身が引き裂かれる様な苦しみがあったはずです。
それでも、人はなぜ生きていけるのか?
そこには喪の儀式というものがあるのです。
お葬式をして、初七日、四十九日、1周忌、3回忌・・・。何回も何回もご供養をしていきます。そして、お盆、お彼岸×2回、正月・・・。ご先祖様に手を合わせ。でも、ご先祖と言っても、結局は顔も見たことない、ひいひいジイさんを思い出しながら手を合わせないわけです。結局は失った愛する人を思い出しながら、手を合わせるのではないでしょうか?
何度も何度も、良かったことも、喪失の苦しみも、何度も何度も思い出すのです。そうすることによって過去は浄化されていくのです。
このメカニズムは、トラウマ治療と同じです。このシステムをぎゅっぎゅっと、うんと短縮しているという面はありますが、同じですね。
人間は、凄いですよね。トラウマ治療なんてものがある、おそらく何千年も前から、ひょっとしたら有史以前から連綿と喪の儀式を続けて来たのですから。
これは人間が辛いことがあっても生きていけれるようにと、人が生きるために作ったシステムではないのかなと僕は思うわけです。
歴史の中で醸造された、人間の叡智ですね。
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