現在の日本のギャンブル依存症(病的賭博)治療は治療とは呼べない
2018/11/30
K’sセラピールームというメンタルヘルス治療院をしている片山です。
僕は、ギャンブル依存症の専門家です。
ブログでギャンブル依存症の投稿をしたら、思いのほか不評で(汗)。
確かに、多くの人には興味のない話かもしれませんが、これだけ、パチンコ屋がある日本で、まったく関係のない人もいないだろうにな?と思うのですが。
どうでしょうか?
それでも、懲りずに、ギャンブル依存症についての投稿をしていきたいと思います。
このブログの、例え1文でも、ギャンブル問題で苦しんでいる人や、家族に届けばと思いながら。
さて、前回、ギャンブル依存症という病気。まあ、依存症や嗜癖問題(アディクション)全般に言えることですけど。依存行動のみに意識をとらわれては、問題の本質を見誤ってしまいます。
ギャンブル依存症は生きづらさ(不安感、怒り、恐怖、孤独感)と依存行動の2重構造の病気であるという話でしたね。
僕も、長年、依存症の世界を見てきた人間です。こんなことを言っているのは、たぶん僕だけでしょう(汗)。
僕は、岡山県精神科医療センターという病院の、依存症病棟で約10年働いてきました。そこには、昔、尊敬すべき医者やスタッフが多くいました。
今は、その多くは、いなくなってしまったので、僕は一人で開業してしまったのですけど(汗)。
それは、置いといて、岡山県精神科医療センターは、おそらく日本で5本の指に入るぐらい依存症治療で有名な病院です。
その中でおこなわれているギャンブル依存症治療の実際について、今日はみなさんにお伝えしたいと思います。
内ゲバ。内部告発。負け犬の遠吠え。どうとらえてもらっても構いませんが。
まず、精神科、心療内科でギャンブル依存症を見ているところが極端に少ないです。
そして、しているところは、まず、チェックリストを使って、ギャンブル依存症という診断をつけます。
そんなのは、「やめられないから、苦しいからといって来ているのに」と思わないように。誤診断、過剰診断はいけませんから。
肝心なのは治療の中身です。
話は一通り聞いてもらえるでしょう。ギャンブル依存症になった背景。ギャンブルの病歴など。
ギャンブル問題で不安感が強く、うつ状態だと言えば、お薬も出してくれるでしょう。
でも、それは、治療ではありません。
ギャンブル依存症に効く薬はありません。
精神科医がそのあとどうするか?
僕は、ずっとそれを見てきました。
自助グループを勧めるのです。
自助グループとは、当事者同士が集まり、自分のギャンブル問題を語り合う、回復のグループです。
ギャンブル依存症の場合、GA(ギャンブラーズ・アノニマス)という自助グループがあります。
だけです。
予約日まで待って、せっかく病院にいって、初診料のお金を払って、GAという組織を紹介されるだけです。
まあまあ、いいでしょう。
GAに行って治ればいいんですから。
でも、僕は、GAに初参加したギャンブル依存症の方々の感想はだいたいイメージがつきます。入院患者の多くは、初めて自助グループに参加して、口々に同じような感想を言うからです。
「あんな所に出ても意味ない」「繰り返し、おんなじ話ばかり」
「僕はギャンブルをやめる方法を知りたいのに」
「出ても、ギャンブルをやめてない人ばかりじゃないか」
みんな若干、イライラしながら、そんな感想を言います。
言っておきますけど、僕は、GAはギャンブル依存症の回復の役に立つと思っています。しかし、断ギャンブルして日が浅い、ギャンブル欲求の強い方ほど、GAに参加することでギャンブル欲求に火がつき、イライラしてしまう。
そして「もう二度と出るか」と。
ギャンブル依存症者として、根が深ければ深いほどつながらないのがGAです。
これじゃあ、本末転倒ですね(汗)。
紆余曲折しながら、なんとかGAに繋がったとしても。GAに出続けたとして、どのぐらいの回復率か知っていますか?
1年間、断ギャンブル率が60%です。1年間で、です。
さて、残りの40%はどこに行ったのでしょうかね?
GAに運良くつながって、1年間、GAに出続けても40%は回復しません。
大変、厳しい現実です。
もう一つ、病院治療の現実を紹介しましょう。
外来治療では、GAに勧めるぐらいが積の山です。
でも、入院治療をしているところもあります。
岡山県精神科医療センターも入院治療をしています。
その中でしているギャンブル依存症の治療は、認知行動療法という治療が中心です。認知行動療法の中身は、ギャンブルに至ってしまう、間違った認知(考え)を正しましょう。というような治療です。
僕は、ギャンブル依存症者で精神科に行き、精神科に入院した人の考えは正常だと思っています。
考えが正常だから、ギャンブルなんて、やめたいと思っている。
違いますか?
僕は、ギャンブル依存症という病気には、考えとは違うものがあると思っています。ソコに効かす治療でないと意味がないと思っています。
ギャンブル欲求に効く治療でなければ、効果はないと思っています。
精神科に入院して、約2ヶ月間、ギャンブル依存症の治療プログラムを受けて、その回復率は1年断ギャンブル率が30%ぐらいです。
それでも、3割回復するのですから、良いかもしれません。
じゃあ、残りの7割は?
っていうか、精神科に行き、入院し、GAに行く人は、まだまだ良い方です。
行かない人はどうなるのでしょうね?
おそらく、今日、ここに書いた内容は、日本のどこの精神科病院、心療内科に行ったとしても、その内容は、ほぼ変わらないのではないかと自負しています。
むしろ、ここに書いてあることを受けることができたら、良い方だと思ってもらってよいです。
ギャンブル依存症については、現在のところ効く薬はありません。
治療と呼べるものもありません。
GAに繋げ、GAに参加するのみです。
今まで、ずっとそうでした。
これからは、違うかもしれません。
それは、また次回です。
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